講師のKです。
プログラミングを学んでいると、「あれ?同じ言葉なのに意味が違う?」と感じることがよくあります。
実はこういう一見似た用語だけど全然違う意味を持つものが、プログラミングの世界にはたくさんあるんです。

たとえば「HTML要素」と「配列の要素」。どちらも要素という言葉を使いますが、まったくの別物です。
HTML要素はWebページを構成する部品(タグで囲まれたもの)を指すのに対して、配列の要素はプログラムの中で配列というデータ構造に入っている値を指します。

つまり同じ「要素」でも、前者は構造的な部品、後者はデータ的な部品という違いがあります。
イメージでいうと「車を組み立てる部品(タイヤやドア)」と「ワンちゃん」くらい別物なんですね。

ところが、書籍やWebサイト、教材などでは、単に「要素」と書かれていて、わざわざ説明してくれることはあまりありません。そのため初学者にとっては混乱の原因になり、学習が進みにくくなる要因の一つになっていると思います。結局は「文脈で判断する」しかない、ということなんです。

ではなぜ、こうした紛らわしい用語が多いのでしょうか? 大きく3つの理由があります。

  1. 翻訳の影響
    英語の element, object, property などを日本語にすると「要素」「オブジェクト」「プロパティ」になりますが、文脈によってニュアンスが違うのに同じ単語で訳されてしまうことがあるためです。
  2. 歴史的な経緯
    HTMLやCSS、JavaScriptは本来それぞれ別の分野で発展した技術ですが、今は一緒に使われるので「用語の衝突」が起きやすくなっています。
  3. 抽象的な概念を扱うから
    プログラミングには「オブジェクト」など抽象的で難しい概念が多く存在するため、似たような言葉が重なりやすいのです。

ですので、学習の中で「似ているけど意味が違う」と感じたら、それは気のせいではなく、むしろプログラミング学習で誰もが経験するつまずきポイントあるあるなんです。そんなときは一度立ち止まって整理したり、調べ直してみると理解が深まります!