2026年になっても、特殊詐欺やSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺の被害は止まりません。
警察庁の発表では、2025年11月末時点で認知件数は3万8千件超、被害額は2,700億円以上。
しかもこれは「警察に届け出た分」だけで、実際にはもっと多くの被害が潜んでいると考えられています。

近年、詐欺がここまで身近になった最大の理由のひとつが、
スマートフォンとSNS、そして生成AIの普及です。

ロマンス詐欺とは?

簡単に言うと、

SNSやマッチングアプリなどを通じて、恋愛感情や信頼関係を作ってから、お金をだまし取る詐欺

です。

詐欺の特徴としては、次のような流れと言われています。

  1. SNS・マッチングアプリで接触
    • Facebook / Instagram / X / マッチングアプリなど
  2. 理想的な相手を演じる
    • 優しい・誠実・成功している
    • 「海外在住」「医師」「投資家」などが多い
  3. 毎日やり取りして距離を縮める
    • 数週間〜数か月かけることも珍しくない
  4. 将来の話・結婚の話が出る
    • 「会いたい」「一緒に暮らしたい」
  5. トラブル → 金銭要求
    • 投資話、送金、仮想通貨、手数料、治療費など

👉 お金の話が出る頃には「恋人」「大切な人」になっているみたいです。

僕が調べた限りでは、ロマンス詐欺は男女を問わず、また年齢層に関係なく、誰でも被害に遭う可能性がある詐欺だと感じました。

男性に多い傾向

  • 若く魅力的な女性を装った相手
  • 「君だけ」「理解してくれるのはあなた」
  • 投資話・仮想通貨・副業が絡みやすい

👉 承認欲求・恋愛欲求・成功欲求を刺激されやすい

女性に多い傾向

  • 誠実で包容力のある男性像
  • 「海外勤務」「妻を亡くした」「子どもがいる」
  • 生活費・治療費・渡航費など

👉共感・献身・安心感を刺激されやすい

年齢層

  • 高齢者:電話・金銭不安型
  • 若年層:SNS・恋愛・投資型
  • 30〜50代:孤独・将来不安が狙われやすい

👉人生のどの段階にも「刺さる形」が用意されているのが怖いところです。

一番の誤解:「自分は大丈夫」

実は被害者の多くが、後からこう言います。

「最初は疑っていた」
「途中まではおかしいと思っていた」

それでも、

  • 毎日のやり取り
  • 優しい言葉
  • 未来の約束

が積み重なると、判断は感情に上書きされる

これは「騙されやすさ」ではなく、人として自然な反応なんです。

なぜ今、ロマンス詐欺が急増しているのか

背景にあるのが、生成AIの進化です。

① 会話が不自然ではなくなった

以前の詐欺メッセージは、日本語の違和感や定型文で見抜けることもありました。
しかし生成AIにより、

  • 自然な文章
  • 感情に寄り添う表現
  • 相手に合わせた受け答え

が、24時間自動で可能になっています。

② 相手に「最適化された人格」を演じられる

SNSの投稿内容や会話履歴をもとに、
相手の年齢・価値観・不安に合わせたキャラクターを作ることも難しくありません。

「価値観が驚くほど合う」
「話が噛み合いすぎる」

それは偶然ではなく、設計された共感である可能性があります。

③ 声や顔すら信じきれない時代

AI音声やディープフェイクによって、

  • 通話した
  • 顔を見た

という確認すら、安全の証明にならなくなりつつあります。

被害者は「判断力が低かった」のか?

答えは、いいえです。

多くの被害者は、

  • 最初は疑っていた
  • 一度は断っている
  • 何度も考え直している

それでも、日々積み重なるやり取りや感情の共有によって、
判断は少しずつ感情に上書きされていきます。

これは弱さではなく、人として自然な反応です。

生成AI時代に本当に必要な力とは

生成AIの仕組みを完全に理解することは、専門家でなければ難しいでしょう。
また、AIに騙されないための「完璧な知識」を身につけることも、現実的とは言えません。

では、何を身につければいいのでしょうか。

「生成AIを一切信じない、パソコンやスマートフォンを使わない、自分のことしか信じない」
そういった極端な考え方に行き着く人もいるかもしれません。

しかし、僕はそれは少し考えが偏りすぎていると思います。

例えば車は、とても便利な乗り物です。
中には、無謀な運転によって事故を起こし、人を傷つけてしまうケースもあります。
だからといって、「車そのものが悪い」「車は使うべきではない」とはなりません。

悪い行為は法律で罰せられ、事故を防ぐために運転免許制度があり、講習があり、交通ルールや道徳があります。

生成AIも同じです。
すでに社会に広く普及している以上、「全員が使うな」というのは現実的ではありませんし、仮に今まで使っていた人が突然使わなくなれば、かえって不自由な生活を強いられることにもなりかねません。

大切なのは、使わないことでも、無条件に信じることでもなく、
どう向き合い、どう考えるかなのだと思います。

  • すぐに結論を出さない
  • 「なぜそうなる?」と立ち止まる
  • 情報を感情ではなく構造で見る

といった、思考の土台です。

プログラミング学習が育てる「考え方」

プログラミングは、感情では動きません。

  • 条件は何か
  • 順序は正しいか
  • 前提は合っているか

これらを一つずつ確認しなければ、正しく動かない世界です。

この「考え方の習慣」は、生成AIや巧妙な言葉に振り回されにくくなる力にもつながります。

おわりに

生成AIは、これからも進化していきます。
それ自体は悪いことではありません。

しかし同時に、人の心に入り込む力も、確実に強くなっています。

だからこそ必要なのは、
技術に勝つことではなく、
技術に流されない思考力

プログラミング学習は、そのための有効なトレーニング手段の一つとも言えると思います。